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クリフ・ブース役のブラッド・ピット。





 ピットのキャラクターは、髪型や時計のストラップに至るまで、70年代のロバート・レッドフォード(二人はトニー・スコット監督の「スパイ・ゲーム」で共演したことがある)のイメージを効果的に取り入れた。我々の時計映画紹介記事の第1回目では、レッドフォードとドクサが登場したが、これもバンドストラップだった。ピットは90年代から2000年代にかけて実生活ではロレックスを愛用していたが、その後はブライトリングのシネマ・スクワッドのブランドアンバサダーを務めている。興味深いことに、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』で彼が着用しているシチズンの8110は、実は時代的に正しくない。この時計は1972年に発売されたが、映画の舞台は1969年だ。私の熟慮の末の意見を言うと、そんなことはどうでもいい。これは映画なのだから。疑念を一時停止することが鑑賞の本質なのだ。

見るべきシーン
 映画は、ディカプリオが演じる主人公の俳優としてのキャリアが明らかに終わったところから始まる。アル・パチーノ演じるプロデューサーと会った後、ピットはAMラジオを聴きながら2人を家まで送り届ける。その車中で(00:16:15)、ディカプリオは自分のキャリアが落ち目になっていること、ローマでマカロニ・ウエスタンの役しかもらえなくなっていることを嘆く。「映画撮影のためにローマに行くのは、あなたが言うように死ぬより悪いとは思えないな」とピットは切り返す。オリス時計の評判茶色のストラップとシチズンの時計がフロントガラス越しに夕日を受けている。時計の見どころはさらに続く。左手でハンドルを握り左手首の時計を見せながら、ピットは埃をかぶったカブリオレに乗り込み(00:20:45) 、LAのダウンタウンを走り抜ける。


プロデューサーとの緊迫したミーティングを終えたディカプリオを車で送る

 ところでこの映画は、荒唐無稽なラストシーンを抜きにしては語れない。ネタバレ注意だが。マルガリータを飲みまくった後、ピットはディカプリオの家に戻り(2:23:30)タバコに火をつけると、悪名高いマンソン・ファミリー(「悪魔の仕事」をするためにやってきた)と対面してしまう。


ピットはマンソン・ファミリーに銃のポーズを向け、その際にシチズンがはっきり見える。スクリーンショット: ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/Columbia Pictures/Sony

 白いパンツ姿のピットは、腕のシチズンとストラップをはっきり見せながら壮大なスケールのアクションを繰り広げ、最後はディカプリオが裏庭のプールに火炎放射器を投げ込んで終わる。時計が無事でよかった。

映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(Once Upon a Time in... Hollywood)』 (出演:レオナルド・ディカプリオ、ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー)監督はクエンティン・タランティーノ、衣装デザインはアリアン・フィリップス、小道具はクリス・コール、撮影はロバート・リチャードソンが担当。STARZでストリーミング配信、AmazonやiTunesでレンタルもできる。映画の時計の現代版はこちら。

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