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パテック フィリップ が初めて文字盤側にチャイム機構を搭載したミニット・リピーター「5303」

パテック フィリップは、最も数多くのミニット・リピーター腕時計を現行コレクションとして提供する時計メーカーである。同社のミニット・リピーターのゴングには、クラシック・ゴングとカセドラル・ゴングの2種類があり、ミニット・リピーターのみを搭載したモデル、および他のコンプリケーション(永久カレンダー、トゥールビヨン、ワールドタイム、クロノグラフ)と組み合わされたモデルがある。しかしこれまでパテック フィリップは、文字盤側にチャイム機構を見せるミニット・リピーターを発表したことがなかった。

パテック フィリップ 2021新作「5303」



パテック フィリップ ミニット・リピーター・トゥールビヨン「5303」
手巻き(cal.R TO 27 PS)。29石。21,600振動/時。パワーリザーブ最大48時間。18KRGケース(直径42mm、厚さ12.13mm)。非防水。時価。



オープン・アーキテクチャーへのこだわりはトゥールビヨンにも活かされており、6時位置のスモールセコンド・スケール越しに、トゥールビヨン・キャリッジの裏面を見ることができる。正面から見た機構全体の眺めは、スチール部品の輝きがローズゴールドでメッキされた地板(メインプレート)とコントラストをなす、完璧なミニチュア・サイズの絵画のように美しい。
 5303モデルは2019年、《ウォッチアート・グランド・エグジビション・シンガポール 2019》において、12個の限定製作モデルとしてデビューを飾った。そのミニット・リピーター・トゥールビヨン5303モデルが今年、デザインに細部の変更を加えられ、パテック フィリップの現行コレクションに迎えられたのである。チャイム・ウォッチの愛好家のために創作されたこの新しいグランド・コンプリケーションは、文字盤のないオープン・アーキテクチャーによって際立っており、時計を手首に着用しながら、作動中のミニット・リピーター機構を、初めてハンマーとゴングも含めて鑑賞することができる。



手巻キャリバーR TO 27 PSは、スケルトン・ムーブメントの通例に従い、特定の部分が切り抜かれ、完璧な美しさを実現するように微細な変更が加えられた。パテック フィリップはまた、サーキュラー・コート・ド・ジュネーブやペルラージュで装飾された地板(メインプレート)、微小な回転サテン仕上げの施されたハンマーなど、ムーブメント構成部品に関わる当社の手仕上げの優れた伝統にも忠実に従っている。
ローズゴールド仕様のきわめて独創的なケースは、ふくらみを帯びた幅の広いポリッシュ仕上げベゼル、およびケース側面とラグにリーフ(葉)装飾の彫金が施されたホワイトゴールドのインサートが特徴である。ケース左側面のミニット・リピーターを作動させるホワイトゴールドのスライドピースも同じモチーフである。アワーサークルは、パウダー仕上げローズゴールドのドットを配した、ブラック塗装サファイヤクリスタルのリングでできている。サファイヤクリスタル・バックを通してムーブメントを鑑賞できる裏面は、インサートとスライドピースを彷彿とさせるオープンワーク装飾が施された、ホワイトゴールドの《アンフィシアター(古代ローマの円形劇場)》を想わせる装飾により縁取られている。